極真空手の素晴らしさは創始者・大山倍達総裁が生涯を懸けての壮絶な修行から悟った理念にあると思う。
その理念を表す「大山倍達語録」は数え切れないほどだ。
『君たちは自分の外にばかり財産を築こうとせず、自分の中に財産を築きなさい。自分の外に築いた財産は人に盗られるが、中に築いた財産を人は絶対に奪うことが出来ない』
では自分の中の財産とはどの様なものだろうか…。
『武の道においては真の極意は体験にあり、よって体験を恐れるべからず』
昨今、ビデオやインターネットで理屈や方法を手軽に入手することが出来る。道場の指導者も親切に教えてくれ、学校の教師は惜しげもなく答えや結論を示してくれる。
しかしそれらを「知った」ところで、それらはまだ自分の外に存在しているものに過ぎない。
決してそうした学びがいけないと言う訳ではなく、「知った」ことを知識で終わらせず体験してみることが必要なのだ。
体験を通じて失敗や間違い、遠回りや苦悩というものを経る。このことによって初めて知識は自分の中に築かれる財産に変わる。
例えば、一流の水泳コーチに1年間泳ぎ方の基礎や心得を講義をしてもらっても、水に体をつけ、ときには溺れそうな体験をしなければ決して泳げるようにはならない。
また、「子孫に美田を残すな」と諺にもある通り、親の役目は自分の子供に金銭で財産を残すことではなく、子供自身の中に努力を継続する力・人生を切り開く力などを築かせることだと思う。
財産について大山総裁は『
私が死んで沢山お金を残していたら私の墓に小便をかけなさい
』とも言っていた。
現に「世界の大山倍達」が残した金銭は一般人のそれと大差ないものだったと伝え聞いている。
その代わり我々弟子に「極真会館」という大きな財産を残してくれたのだ。
まさに有言実行、「昭和の武蔵」だったと思う。
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