支部長コラム 「達人と素人のあいだ」

2012年5月発行の道場新聞「港南瓦版34号」に掲載

少なくとも私は空手の達人ではない。
そして素人でもない。

そんな私のような凡人の役目は、
達人と初心者の間に立つことだと思っている。

まるで通訳のように、
達人と呼ばれた先人たちが遺してくれた
空手の精神や本質・奥義を、
後進に誤解なく伝えて行かなければならない。

そこで忘れてならないのが、
相手が分からない独りよがりな専門用語や理論を振りかざさない
という事だと思っている。

特に、少年部の指導で難しい言葉を用いても、
あくびをされるのが落ちだ。

松井章圭館長がいつもこう仰る…、

様々な動機や志を持って極真会館に入門する
老若男女それぞれの目的・目標を叶えつつ、

極真空手の真髄に一歩一歩近付いてもらう活動や導きをすることが、
極真会館の支部長の役目だ」



この事は、級位・段位に拘わらず全ての極真空手家にも言えることで、
例えば極真を全く知らない友人・知人に極真空手について質問されたときに、
その相手に分かる言葉で「極真とは?」と説くことが出来なければならない。

常にそうした視点でも稽古に取り組んで欲しいと思う。

まるで、最新の高度なテクノロジーを内に秘めつつも、
誰にでも直感的に操作することができる「iPhone」のように。

かつての侍たちがそうであったように、
武術の鍛錬をしつつ、教養も磨かなければならないと改めて思う。



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