支部長コラム 「文武両道」

2004年5月発行の道場新聞港南瓦版に掲載

「文武両道」という言葉を辞書で引くと
「学問と武芸の両方の面」
と書いてある。

私も含め皆さんも辞書の通り、
「文武両道とは学問と武芸2つの道を両立していること」

という認識していると思うし、
その認識に誤りはないと思う。

しかし、奈良県の大会レセプション(打ち上げ)パーティーで
挨拶をしたあるお寺の住職がそれとは少し違う見方で
「文武両道」について語った言葉が印象的だった。

「文の道と武の道とは全く別の道のようですが、
実はどちらも突詰めれば同じ道で、
行き着くところは同じでなければならないのです」

空手であれ、勉強であれ、サッカーやピアノであっても、
本物を目指して精進すれば行き着くところは同じになり、
また本物になるための道筋も同じ道なのだということだろう。

極真空手の稽古をして突きや蹴りが強くなるだけではなく、
ごまかしの利かない極真空手を通じて
本質を見抜く目と目標に向かって努力をすることを
学んで行かなければならない。

そしてその力が全ての物ごとに活きなければならないのだと思う。

強さの中に優しさがあり、
また優しさの中に本物の強さがある。

極真空手の稽古を積んだ末に
「ただ喧嘩の強い人」にならぬ様肝に銘じて精進したいものだ。


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