支部長コラム 「試合挑戦の意義と心構え」

2004年8月発行の道場新聞港南瓦版に掲載

昨今、幼年・少年から女子・壮年まで
幅広く大会・試合が開催され、
多くの横浜港南支部の選手が活躍していることは
非常に喜ばしいことだ。

しかし選手諸君が試合に挑戦する目的は、
決して目先の勝ち負けだけではないはずだ。

もちろん、やるからには
負けるよりも勝つほうが良いに決まっているが、
試合に挑戦する本当の目的は、

普段の稽古の延長線上にあるものと同様に、
極真空手を通じて自分の心身を磨き、
強く立派な人間になることだと思う。

したがって、勝ったことも負けたことも、
その経験と反省を次に活かして行くことが大切である。

極論を言うなら試合に勝つことで
天狗になって将来駄目な人間になるよりも、
試合に負けてもその経験と反省を活かし
将来立派な人間になるなら負けた方が本人のためになる。

極真空手ではガッツポーズも禁止だし、
勝っても負けても同じ態度で試合を終えて
挨拶をしなければならない。

そうしたことも、そう言った意味の表れなのである。

優勝や入賞をした選手が表彰式を終えて
「頑張りました!」と賞状やトロフィーを持って
挨拶に来てくれることは最高に嬉しいことだが、

惜しくも負けた選手でも腐ることなく
「今日は負けてしまいましたが、
今日の反省と悔しさを明日からの稽古に注いで、
次の試合では良い報告が出来るように頑張ります!」

と言ってくれることも同じ位嬉しいことだ。

誤解を覚悟で言うと、
所詮試合の結果は他人(審判)が勝敗を下したものに過ぎない。

大切なのは他人が下した結果を
自分がどのように受け入れるかである。

もしかしたら、それが本当の意味での結果なのかも知れない。


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