支部長コラム020


支部長コラム 「武士道ふたたび」

2009年2月発行の道場新聞港南瓦版に掲載

武士道ふたたび  (2009年2月)

ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)開幕直前、
頻繁にメディアに登場する野球・日本代表チームの愛称に
「侍ジャパン」が多く使われる。

通例、原辰徳監督の名前から「原ジャパン」となるところだが、
今回はそれが使われることが少なく、なぜか「侍」が多く使われている。
これは時代の要求なのかも知れない。

多くの若者が無謀であることを勇気がある事と履き違え、
秩序が乱れ、犯罪が増えて行く一方の世の中を見るときに、
本当の『勇』と何かを考えさせられる。

様々な偽装問題、後を絶たない詐欺事件、
偽善に満ちた社会の中で、人々は『誠』を求めている。

また、超高齢化社会へ突入し“死”というものを身近に捉えるざるを得ない今
“人はどう美しく死ぬか”が『忠』への憧れとなっているように思える。

今、日本人が心の奥底で『武士道』を求めているように思えてならない。

明治の時代、西欧の文化が日本に激しく流れ込み、
混沌とした頃、柔道の創始者・加納治五郎師範が言った、

「今、日本人が学ぶべきは日本である」

との言葉が現代の日本にそのまま当てはまるのではないだろうか。

ほとんどの日本人が無宗教を自覚しているこの日本において、
道徳教育をどのように子孫に授けて行けるかの答えが
武士道」にあると私は思う。

極真空手がその一端を担えるなら、私たちの役目も意義のあるものになる。



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