支部長コラム 「準備と収穫は比例する」

2010年2月発行の道場新聞「港南瓦版」に掲載

「世界一でなければならない理由は何ですか?
「2位じゃ駄目なんですか?」

新政権の目玉として注目を集めた事業仕分けで、
「必殺仕分け人」が次世代スーパーコンピューターの
開発予算をバッサリと斬った場面で幾度となく放送され、
物議を呼んだフレーズである。

立場も役目も違う双方が、
互いの主張を戦わせるのは当り前のことだが、
世間とマスコミがこれほどまでに注目するに至った
「事の本質」は何だろうか?

極真空手の試合を例に考えてみたい。
勝負は水物である、出た結果に振り回されてはならない。

単なる結果より、
「どのくらいの準備をし、どのように取り組んだか」が、
出た結果・成果の捉え方に大きな違いをもたらすものだ。

同じ「負け」でも、十分な準備をして全力で臨んだ負けは
「次に繋がる負け」となるが、

中途半端な準備と取り組みでの負けは、
「負け癖」に繋がる。

また、準備もせずに「たまたま拾った勝ち」は慢心の元となり、
次からの精進を怠る原因にもなるだろうし、

準備と取り組みに全力を尽くしての勝ちは、
何事にも代えがたい喜びと自信となる。

研究所と試合場、
不確かな条件から逃れてシンプルに物ごとを追及する点では、共通の場である。

そこで培ったことを、社会や日常で活かせなければ無意味になる点でも、
共通しているように思う。

何ごとも、やるからには最善の準備をし全力で挑戦することの大切さを、
事業仕分けと戦った科学者は教えてくれたのかも知れない。



「>>>支部長コラム」のトップページへ