支部長コラム 「ウサギとカメ」

2012年2月発行の道場新聞「港南瓦版33号」に掲載

童話「ウサギとカメ」の話の一般的な解釈は、
「能力のある者が油断して怠けていた結果、能力には劣るけれどコツコツと頑張った者に負けた。」
というものだろう。

しかし先日、広島支部の小田師範のブログにそれとは違う本質的な解釈が書かれていたので、
小田師範の許可を得てこのコラムに引用させて頂くことにした。

ウサギがカメに負けた敗因は
「ウサギはカメしか見ていなかったけれど、カメはゴールしか見ていなかった」
とのこと。

これは、あらゆる物ごとに取り組むときに心しておくべきことだと思う。

例えば…

  • 稽古で立ち会う相手にだけ対応する組手になっていないか?
  • 帯の色を変えることばかりを昇級昇段審査の目的にしていないか?
  • 目的の学校に入ることだけを勉強の目的にしていないか?

など、例を挙げればキリがない。

  • 組手の稽古の先にある「自分が目指す組手」は何なのか…。
  • 昇級昇段の真の目的は何なのか?
  • 何のために勉強をするのか?
  • 何のために仕事をするのか?

物ごとに一生懸命取り組むときにこそ、
目先のことに目が行き、視野が狭くなりがちになる。

自分が本当に目指すところを見失わないよう、
この「ウサギとカメ」の話を時々思い出して欲しい。

私も部屋の壁に「ゴールだけ見ろ!」と貼り、ブレやすい自分を戒めることにした。



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