支部長コラム 「黒帯」

2006年2月発行の道場新聞港南瓦版に掲載

昨年秋の昇段審査で昇段した5人の黒帯がようやく届き、
真新しい黒帯を締める新有段者の姿をまぶしく感じるのは、
きっと私だけではないだろう。

仕事と空手を見事に両立し、老体(?)を気合いで牽引し、
若い者に背中で活を入れる壮年部。

放課後遊びに行く友達を横目に道場の厳しい稽古を続け、
高い目標を次々と達成して来た4人の少年部たち。

その努力には本当に頭が下がる。

この5人を見て、つくづく黒帯というのは、
生まれつきの特別な才能をもつ者だけが締める訳ではなく、
しっかりと目標を持ってコツコツ稽古を積むことで、
誰にでもその道が用意されているのだと思わされる。

但し、その道は平坦な道ではない。

極真の昇段基準は厳しすぎるとの声を耳にすることが少なくないが、
そう言う人に私は、

「簡単に取れる黒帯をあなたは欲しいですか?」
と問いたい。

何の我慢もせず何の犠牲も払わず、
やりたい時にやりたい稽古だけをして締めることが出来る黒帯に、
どれほどの価値があるのだろうか・・。

見栄やファッションのために「黒い帯」が欲しければ、
街のスポーツ用品店で数千円で売っているものを買えばいい。

言うまでもなく''黒帯の価値は帯そのものではなく、
それまでの努力や苦労で培った自分自身の中にある。 ''

そういう意味でも横浜港南支部の昇段者は、
どこに出しても恥ずかしくない黒帯であると自負している。

創始者大山倍達総裁の言葉「千日を以って初心とする…」
とは即ち黒帯になって初めて極真空手の門に立つことが出来る
という意味である。

極真空手を志したならば、
最低でも黒帯を締める所まで行き
本当の極真空手修行の道を歩んで欲しいと思う。

黒帯はゴールではなくスタートだ!
ということを忘れないで稽古をして行きたい。



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