支部長コラム 「超人追求」

2006年8月発行の道場新聞港南瓦版に掲載

極真空手家が目指す「超人追求」への道とは
どのようなものだろうか。

それは決して、秘密の奥義があるわけでも、
特別な稽古方法があるわけでもない。

今の自分と、未来のとてつもなく強い自分をつなぐ道は、
一見すると何ともない稽古を大切に積み重ねことに他ならないのだ。

近年、技術書やビデオ・DVDの普及で、
様々な稽古方法や空手理論等の情報が誰にでも
手軽に入手出来るようになったことは喜ばしい反面、
頭での理解が先行し、身に付かないまま
広く浅い稽古に甘んじてしまう者が増えたのも事実だろう。

本当の理解・体得は、そうした手軽な情報から得られるものではなく、
気の遠くなる様な繰り返しの稽古の中から
自分の体を通してのみ、備わって行くものだと思う。

「昔は良かった、今の若い者は・・・」
とやたら言うのは好きではないが、
一昔前の道場には一日中道場に居りびたり、
バカみたいに稽古しているヤツがゴロゴロ居た。

急速に凍らした氷は溶けるのも早く、
天然氷のように永い時間掛けて凍った氷は硬く、
そして溶けにくいと聞いたことがある。

強さも同様で、効率の良い稽古で即席に作った強さよりも、
繰り返して量をこなす中から質の稽古へと転換し、
手間と時間を掛けて培った強さの方が、
衰えにくいし土壇場で強さを発揮する本物の強さなのだ。



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